法律用語の公式 基準点を示す用語として「基準点を含む」か含まないかによって用語が異なります。
「数的な広がり」で基準点を含む用語としては、「以上・以下」があり、含まないものには「超える・未満」「満たない・達しない」などがあります。
「時間的な広がり」で基準点を含む用語として「以前・以後」、含まない用語としては「前・後」となります。このような用語については、普段は適当に使っていますが、法律用語を理解していないと「いざ、というときに困ってしまうことになります。
例えば、遺言書のなかで、「万一、遺言者より前に妻○○子が死亡したときは・・・」と記載したときには、「同時死亡のとき」は含まれませんので交通事故など一緒に亡くなった時には困ることになります。最悪のシナリオを考慮して「万一、遺言者より前に又は同時に妻○○子が死亡したときは・・・」と記載する方法もありますが、
そんなときには、「万一、遺言者の死亡以前に妻○○子が死亡したときは・・」と記載しておけば、「同時死亡のときも含まれます」ので安心です。
「以前」という法律用語はこのような場面で有用です。