北九州の行政書士富山致(とみやまいたる)のブログ

行政書士の業務のこと、勉強のこと、日々のつれづれを書き記していきます。
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許可申請と届出
 行政書士試験の受験科目のうち、一番配点の多い科目は行政法関係です。行政法と一般的に言われていますが、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法等の総称です。

 受験のためには行政法をかなり細かいことまで勉強しなくてはなりませんが、合格して開業してからは実務上では、あまり細かいことまで必要ではありません。もちろん基礎知識としては知っておくにこしたことはありませんが。

 と、いうのも行政書士の主要の業務は官公署への提出書類の作成および提出(他の法律で制限されているものは除く)ということの仕事柄でしょうか。あまり、官公署とはトラブルにならないようにお客様から依頼されたことを着実にこなしていくということが大切なようです。もちろん、お客様に不利益になる場合にはご相談に応じています。

 その中で、お客様に参考となるのは行政手続法に定められている「申請に対する処分」と「届出」というところでしょうか。

 許可を求めるように申請した場合に「許可する」とか「許可しない」と行政庁が判断するときには、「申請を審査する基準を定めること」や「申請を拒否する場合にはその理由を示す」ことが定められています。と、いうことは許可申請したときには、いつ頃許可がおりるか、また許可されない場合は理由を聞くことができます。

 一方、「許可」は必要ではなく「届出」のみでよい営業業種もあります。「届出」は行政庁に対して一定のことがらを通知することですが、届出が行政庁に届いたときに届出義務を果たしたものとすることが定められています。行政庁が「受理していない」と受付を拒否するのを防ぐ狙いがあるようです。
| 豆知識 | 10:19 | comments(0) | -
「代理」と「代行」の違い
 一般的には、「代理」と「代行」は同じような意味合いで使われています。ただし、法律上では、「代理」と「代行」には大きな違いがあります。

 大きな違いは、「意志決定をする権利の有無」にあります。

 「代理」では、代理人が、与えられた代理権の範囲で「自らの意思決定」に基づいて代理行為を行います。

 一方、「代行」では、代行者が、自ら意思決定をすることはできず、「本人の決定した意思を伝達、表示」するのすぎません。

 行政書士の業務につきましては、平成14年の改正前は、書類の提出及び作成についての「代行」でしたが、法改正により書類の提出及び作成について「代理権」を行使できるようになりました。

 従って、依頼主からは、代理権の範囲を明記した「委任状」をいただき代理権を行使するようにしています。
| 豆知識 | 13:33 | comments(0) | -
特例民法法人とは
 先日、投稿した記事を間違えて削除してしまいました。記事の原稿も控えていませんでしたので大失敗です。

 ところで、「特例民法法人」とは、一般的な呼び名ではありません。平成20年12月に施行された法律により、新たな公益法人あるいは一般法人に移行するまでの間の法律上の位置付け、ということです。

 従って、いままでの社団法人○○○○あるいは財団法人○○○○という名称の法人が、認定あるいは認可を受けて、登記完了して新たな法人に移行するまでは、対外的にはいままで通りの名称で活動を続けていけますし、わざわざ「特例民法法人」と名乗る必要もありません。

 ちょうど、商法改正により新たに会社法ができて、有限会社を新規に設立できなくなりましたが、現在でも「有限会社○○○○」の名称で事業を継続してもなんら問題がない、のと似ています。

 ただし、有限会社と違い、「特例民法法人」にあっては、5年の移行期間のうちに、移行しないと「解散」になりますので、注意が必要です。
| 豆知識 | 12:54 | comments(0) | -
「200万円まで」は200万円を含みます
 先日、「ないし」と「限り」について投稿しましたが、法律用語については、普段の生活で使っている意味と異なることも多く、都度、基本書を読んで確認するようにしています。

 そんなときに、「お勧め本」として紹介している「法律を読む技術・学ぶ技術」が役に立ちます。

 たとえば、遺言作成時の公証人手数料は、100万円まで5千円、「200万円まで」7千円、500万円まで1万1千円と記載されていることもありますが、これは100万円以下は5千円、100万円を超え200万円以下は7千円ということです。あとは、同様です。
と、いうことで、ちょうど200万円なら7千円ということになります。

 第1条「から」第3条「まで」、という使い方なら第3条を含むということは容易にわかりますが、「から」がなくて突然「200万円まで」と言われると迷うこともあります。それは、私だけかもしれませんが。

 一方、株主総会の招集手続きにおいて、「通知の期日」が「7日前まで」ということになりますと、今度は「以前」と「前」という法律用語の違いを押さえておく必要があります。

 「以前」はその日を含みますが、「前」はその日を含みません。

 また、ご紹介している書籍には参考になる法律の基礎知識がたくさん書かれていますので実務の上でも大変役立っています。まずは、基本に帰る、というところでしょうか。なぜ、「ないし」と漢字の「乃至」を使わないかという疑問に対しても、法律で使える漢字が決められていることがわかり、その理由を理解することができます。
| 豆知識 | 10:08 | comments(0) | -
「ないし(乃至)」と「限り」
 公正証書遺言は、遺言者の口授した内容を公証人が筆記して作成するということになっていますが、その内容が法律上有効な遺言書となるように文言につては公証人が遺言者の意思を確認して作成します。

 そこで、今回の公正証書遺言書に「ないし(乃至)」とか「限り」という法律用語が使用されていますので、ご紹介します。

 一般的には、「ないし」とは、「AないしB」「AあるいはB」と同じように使われていますので、英語でいうところの「OR」かな、とも思いますが、法律用語では「〜から〜まで」という使われ方をしています。

 例えば、「第1条ないし第3条」という文言は、第1条から第3条まで、すなわち第1条、第2条と第3条のすべてということになります。

 漢字で「第1条乃至第3条」と書かれていれば、なんとなく「〜から〜まで」と思い浮かべますが、常用漢字の制限でしょうか漢字の「乃至」は使用していませんので、ひらがなで「ないし」と表現されると法律用語の知識がないととまどってしまいますね。

 また、「毎年2月末日限り」に支払う、という文言は、「2月末日まで」ということで、2月25日でも26日でも2月末日より支払が早くても構わないという意味です。毎年2月末日に支払うと記載しますと、末日に限定されて、自由がきかなくなりますから。

 ただ、一般的には「2月末日限り」の「限り」ってどんな意味だろうと感じてしまいますね。わからない法律用語の表現があったら、その場で公証人に聞いて確認してみましょう。

 なにかのご参考になればと思います。
| 豆知識 | 10:05 | comments(0) | -
会社の種類と存在数
 合名会社と合資会社は現在7−8万社程度ですが、社員の責任を出資の限度として、かつ、合名会社の内部規律を有する会社が望まれ、その結果「合同会社」が新設されました。今後は、かなりの程度設立が予想されます。

 一方、「株式会社」は110万社を超えていますが、その他有限会社として設立され現在「特例有限会社」として存続している会社が180万社あるようです。

 会社法が改正されてから「株式会社」「合同会社」の設立が増えているとは思いますが、反対に会社の解散・清算も一方では進んでいるのではないかと・・・
 最新の会社種類別の存在数については、また近いうちに調べておきたいと思っています。意味があるかどうかわかりませんが・・・
| 豆知識 | 15:06 | comments(0) | -
政府高官と政府首脳
 お昼休みに朝日新聞を読みました。常々「政府高官」とか「政府筋」によると、という新聞記事・テレビ報道に接したとき、どういう立場の人を指すのか疑問に思っていました。

 今朝の記事のよりますと、オフレコ会見の時の「官僚のトップ」がどの人物であるか特定されないよう、「政府高官」とか「政府筋」とか抽象的に取材源を明かすということのようです。

 オフレコ会見時の取材源を公にするためには、発言者の了解をとらなくてはならないということのようですので、今回、官房長官が発言者が誰であるかを明言したということは異例のことのようです。

 いずれにしても、官房長官が発言者を官僚のトップである内閣官房副長官の名前を公表したことで、「政府高官」とはどのような人を指すのか
私にもわかるようになりました。

 これに対し、「政府首脳」とは、官房長官をはじめとする政権中枢にいる政治家のことを指すのでしょうか。大臣の発言なら、「閣僚」の発言と云うでしょうから、あとはどんな立場の人のことを指すのでしょうね。
| 豆知識 | 13:25 | comments(0) | -
正式な法律と政令との違い
 公務員の天下り・渡りをめぐって国会で論議をよんでいましたが、国会で定めた「法律」で3年間の猶予を与えて各省庁からの天下り・渡りを禁止したにも拘わらず「政令」で内閣総理大臣が認めたものは除外する、というように定めたとか?(すみません、詳しくは知りませんので間違ったら失礼)

 民主党はじめ野党は、その「政令」を撤回しろとか新たな「政令」を定めて明確に禁止しろ、とかやりあっていました。

 普通は、法律、政令、内閣府令、省令(規則)、条例などをひっくるめて「法律」とか「法令」と呼んでいますが、「正式な法律」は、国会を通じて定められたものだけです。

 そして、内閣が定めた命令を「政令」といいますが、法律を施行するための手続きや、法律で定めきれなかった内容を、この政令で定めます。従って法律で定められた範囲内で政令が定められることになっています。

 それなのに、なぜ「法律」で定めたことを、「政令」でひっくり返せたのでしょうか、ひょっとしたらこの「法律」で「政令」で定める内容が明確になっていなかったのか、元来「法律」の原案作成も「政令」も官僚がにぎっているので官僚からしたらどうにでもなる、ということなのでしょうか?

 問題となっているその「法律」も、ひっくり返されたといわれている「政令」も内容を読んでいませんので(また読んでもわからないと思いますが)なんとも言えませんが、一般的には法律はチェックできても、政令、省令(規則)まで、さては内部的な通達まで調べて理解するということは難しいことですね。

 その後、麻生首相の郵政民営化発言、小泉元首相の批判発言、そして中川財務・金融大臣のイタリアでの会見風景などで、いろいろの論議もめまぐるしく変化していますので、公務員改革法案も話題性がなくなってくるかも知れません。
| 豆知識 | 15:22 | comments(0) | -
行政行為の「取消し」と「撤回」
 国会中継などで、その発言を「取り消せ」あるいは、そんな政令は「撤回しろ」とか、いろいろな場面で取消し、撤回という言葉がでてきます。

 通常は、その発言を撤回しろ、そんな政令は取り消せ、と言っても意味は通じます、私たちの生活の場面ではいずれにしてもチャラにしろということで、どちらでもこだわらないというところでしょうか。

 それと同様に、そんな法律に違反する政令は「無効」だ、という発言も最近耳にしました。国会議員は法律用語に詳しく、また答弁もプロが作成したものでしょうから、どのように使うのが適切なのか良い勉強になります。

 ご参考までに法律用語としては、

 「無効」とは、理由があって最初から法律効果が生じていない状態をいいます。例えば、公序良俗に反する契約とか、厳格な要件を定めた遺言書の形式の不備とか、お互いの意思がない売買契約等があります。行政行為でも「瑕疵が重大かつ明白な行政行為」は無効となります。

 それとは異なり「取消し」とは、取り消されるまでは有効な行為とされ、
取り消されたら遡って、その行為の効力が失われます。行政行為を取り消すことができるのは、正当な権限を持った行政庁又は裁判所です。

 また、行政行為の「撤回」とは、「有効に成立した」行政行為の効力を、その後に発生した「新しい事由を理由」として、「将来に向かって消滅させる」ことをいいます。撤回をすることができるのは、原則として行政行為を行った行政庁に限られます。

 ところで、「行政庁」とは、各省大臣、都道府県知事、市町村長、今話題の人事院、会計検査院などのことを指します。

 ということですが、取消し」か「撤回」かどちらを使ったほうが適切なのか考えてみるのもお時間があったら楽しいかも知れません。どうぞ。
 
| 豆知識 | 16:13 | comments(0) | -
許可と認可
 報道などで「お医者さんの使う用語と患者の受け止めているニュアンスとが異なる」と言われています。なるべく患者にわかりやすい、そして誤解が生じないような対応が求められているところです。

 同様に事業を始めるにあたって必要な「許可・認可・届出」につきましても、一般的に思い描いているニュアンスと行政行為としてとらえた法律学の概念とは異なることがあります。例えば、発明の特許は法律学上の分類では「確認」です。

 許可と認可・特許との違い、その分類によって異なる効果が発生します。そして行政書士試験では頻出のテーマです。

「許可」とは、国民に対する「一般的な禁止を解除する」行為で、運転免許の付与、風俗営業の許可などがあります。先に申請したものが優先します。

 これに対して、「特許」と「認可」は国民に対して「新たに権利能力を付与する」行為ですので行政側に裁量がありますので早いもの順ではありません。

 「特許」は特定の権利または法律関係を「設定する」行為で、公益法人の設立許可、外国人の帰化の許可などがあります。

 「認可」は「第三者の行為を補充して」その法律上の効果を完成させる行為で、農地の権利移転の許可、公共料金値上げの認可などがあります。

 ということで、一般的には○○の許可あるいは免許とかと言われていますが法律学上の分類は異なりますので注意が必要です。

 法律学上の「許可」なくして行った行為は、違法ではありますが有効ですが、「認可」なくして行った行為は無効となります。

 「許認可等」とは、「行政庁の許可」、「認可」、「免許」その他の自己に対して何らかの「利益を付与する処分」の総称です。

 「届出」とは、行政庁に対して一定の事項を「通知」する行為をいいます。届出の形式的な要件さえ満たしていれば、届出先に到達した段階で、届出としての効力が生じます。
| 豆知識 | 13:41 | comments(0) | -
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